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インテリアデザインアトリエ「MUSE DECOR(ミューズデコール)」のブログです。
 

夏の終わりに

今年の夏は、新しく始める事業のリサーチ、そして事業のパートナ―とのミーティングのため、ロンドンとケンブリッジに3週間ほど滞在し、その後、束の間のバカンスをコペンハーゲンで楽しみました。

3月に英国を訪れたときは、定番のどんより曇り空の毎日でしたが、夏のヨーロッパは爽やかな青空。
1年で最高の季節です。

英国のことは、いずれ書くことにして、今日は、デンマークのことを少し。

私がインテリアの仕事を始めたのは、イギリスの大学でデザインを学んだことがきっかけでしたが、その後、大手の住宅メーカーでのコーディネーター時代を経て、イルムスジャパンという会社に入ったことで、たちまち北欧デザインの虜になりました。


美しい有機的なフォルム、人間工学に基づいて緻密に計算されたデザイン、その機能性、建築との融合、そして何より、そのあたたかみのある使い心地。

私がイギリスで学んでいた時代、ミニマリズム全盛期でしたが、ヨーロッパに古くから根付いているデコラティブなインテリア文化も健在で、たくさんの素晴らしいデザインに触れてきました。
大学のインテリア史の授業では、クィーンアンやエドワーディアンといった様式について学び、1950年代に巻き起こったミッドセンチュリーのデザインの一部として、北欧のデザインについて知識を得ましたが、イギリスの暮らしの中では、際立った存在感はなかったように思います。

ところが、日本に帰ってくると、イギリスのインテリアは、そのままの形で日本の住環境に当てはめるには、少しギャップを感じました。文化の違いということでしょうか。家のつくりも違いますし、人々のライフスタイルが違います。

そんなときに出会った北欧デザイン。
日本の暮らしにこれほどしっくりとくるものが他にあるでしょうか。
イルムス勤務時代は、1年に一度は北欧の国々を訪れ、自宅に家具や照明器具、そしてファブリックに至るまで、お気に入りを少しずつ買い求めながら、自分にとって最高に心地いい空間をつくってきました。

その後、出産を機に会社員からフリーランスのデザイナーに転身、そして法人にしましたが、今も北欧デザインは私のつくる空間に大きな影響を与え続けています。

産後は、なかなか北欧に足を運ぶチャンスがなく、今回、約8年ぶりに北の大地を踏みしめました。

ニューハウン



夏のデンマーク。
素晴らしい空の色。
なんという幸福感。



イルムスボリフス


そしてイルムスボリフスは、やっぱり洗練されていて素敵でした。

ヤコブセンデザインのロイヤルホテルでも美術館でもショップでも、うちにあるものと同じ椅子やランプがたくさん使われていて、娘も北欧に親近感を覚えたようです。
新しいものが次から次へと生まれるこの時代に、定番という確かなクオリティは、幼い娘にも理解ができたのではないかなと感じています。

今回はデンマークだけでしたが、次はフィンランドに行きたいという娘。
彼女のめあてはムーミンですが、ヤコブセンのつぎはアアルトの建築、デザインを巡る旅かな。。


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● 千葉 聖美
千葉 聖美
インテリアデザインアトリエ「MUSE DECOR(ミューズデコール)」主宰。
ロンドンのChelsea college of Art&DesignでインテリアデザインのDiplomaを取得。
 
→MUSE DECOR(ミューズデコール)のHP