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インテリアデザインアトリエ「MUSE DECOR(ミューズデコール)」のブログです。
 

祝・卒業

3月も明日で終わりです。
会社でも、年度末でバタバタしているところが多いのではないでしょうか。

今月に入ってから、街中でも袴姿の学生を見かけたりして、卒業の季節ですね。


私の周りでも、今月末で会社を辞める友人や、転勤になる人、部署が変わる人などがいて、まさに別れのシーズンです。


そして、私が大学時代、たいへんお世話になった教授が、4年間の任期を終えて、大学の学長を退任することになりました。


約20年前、私は横浜にある女子大で、国文学科に所属し、現代文学を専攻していました。

その大学を受験したのは、鎌倉の自宅から通えて、なんとなく聞こえもよく、のんびり学園生活が送れそうなイメージと、女子だけで学ぶという気楽さが気に入ったからでした。


子供の頃から本を読むのが大好きだったので、大学は国文科で作家研究がしたいと、ずっと思っていました。

今の仕事とは、ぜんぜん違うようにも思いますが。。。(でも実は、いろいろなところに接点があったことを、その後の海外生活で発見しました)


3年生でゼミを選ぶとき、迷わず現代文学を選択。

高校時代、部活の帰りに読みふけったのは、太宰治や三島由紀夫、谷崎潤一郎や坂口安吾。。。まさに現代文学の作品です。

現代文学のゼミはいくつかあったのですが、先輩たちの評判をいろいろ聞いて、なぜか、一番厳しいと評判のゼミを選んだのでした。

その名も「星空ゼミ」。

ずいぶんロマンティックな渾名が付けられたものですが、その由来は、ゼミが終わる頃には、すっかり星空になっている、つまり、毎回、激しい討論が繰り広げられ、気付くと夜になっているという、華やかな女子大のイメージとはかけ離れたゼミだったのです。


そのゼミの教授が、宮坂覺(みやさかさとる)先生。

宮坂先生


こうして、大学の学長紹介の写真では、いかにも立派で、紳士然としていますが、当時を思い出すと、笑えない駄洒落や、おやじギャグを連発し、ゼミ生に白い目を向けられることもしばしば。。


でも、そんな先生のギャグが、厳しいゼミの潤滑油になっていたことは間違いありません。


ゼミの厳しさは、教授が厳しいということではなく、生徒同士のあまりに真剣な討論で、発表者が思わず答えに窮して泣いてしまう、ということが度々あったのです。


毎回ゼミには3年生と4年生が出席し、発表をするのは3年生。
それぞれ研究作品が決まったら、2ヶ月くらいかけて参考文献などを集めたレジュメを作成します。その厚み、なんと2センチにも及びます。
そして、自分の発表の一週間前にはゼミ生全員に資料を配布。そして1週間後、論文の発表になります。
論文自体は発表当日に配るのですが、ゼミ生、とくに4年生のお姉さまがたが、一週間、分厚い資料を熟読して臨むので、論文の矛盾点やら、納得のいかないところ、調査研究が甘いところなどを、突っ込む突っ込む・・・


女のするどい指摘にたじたじの発表者を先生のツマラナイ駄洒落が何度救ったことか(苦笑)。。


私の大学は、遊んでばかりのチャラいイメージがありますが(在校生、卒業生のみなさんゴメンナサイ)、全然そんなことはないのです。


ゼミの想い出はたくさんあります。合宿や旅行、先生のご自宅に集まったり、元町や中華街での飲み会もしばしば。。


そして、卒業後、私がロンドンに駐在していた間に1年間、宮坂先生がロンドン大学の客員教授として招かれ、住まいが決まるまでの数週間、私と夫の暮らす郊外の家に滞在したこともありました。


このときの楽しかった思い出は、またいつか、別の機会に書きたいなと思います。


そんな先生が、まさか学長になる日が来るとは夢にも思いませんでしたが、4年間、本当にお疲れ様でした。
そして、これからも、ますますのご活躍をお祈りしています。この場を借りて。。





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● 千葉 聖美
千葉 聖美
インテリアデザインアトリエ「MUSE DECOR(ミューズデコール)」主宰。
ロンドンのChelsea college of Art&DesignでインテリアデザインのDiplomaを取得。
 
→MUSE DECOR(ミューズデコール)のHP