週末に大阪でBIDA(英国インテリアデザイナー協会)メンバーの古市伸子さんとの再会を果たしたことは、私にとって、とても意味のあることとなりました。
もちろん、このBIDAのメンバーになること自体が狭き門ですから、デザイナーとしての素晴らしいキャリアをお持ちだということは言うまでもありませんが、なにより感心してしまったのは、その広く深い勉強量と、常にいろいろなことにチャレンジし続けるバイタリティです。

古市さんはインテリアデザインと施工まで請け負う
株式会社サーティースリーを経営するかたわら、
NPO法人「オーガナイザー協会」を立上げ、理事長を務めていらっしゃいます。
「オーガナイザー」という言葉、日本では聞き慣れないですよね。「organize(英国ではorganise)」という単語の意味は、体系づける、とか計画する、整理するという意味があります。最初、「整理収納アドバイザー」ととても近いものを想像していたのですが、お話を伺うとまったく違うのです。家を建てたり住まいを購入するときに、本当に自分が望んでいるものは何だろうということを、突きつめて突きつめて、その方の理想のライフスタイルを明確にし、それを空間に落とし込む手法を確立させたものだそうです。
なるほど、という思いがありました。私もかつて大手の住宅メーカーで、何百組もの家族の住まいづくりのお手伝いをしてきましたが、ほとんどのお施主様が、理想の生活のイメージを持っているものの、それが断片的なため、まとめることができず、ぶれていってしまうのです。コーディネーターが家族間の意見の調整をしたり、その家族にとって、どんな時間を過ごすことが幸せか、今現在の生活を重視するのか、将来的な可変性が必要か、などなど、その方の、言葉にはならない心の奥底の潜在欲求を拾い出して、それを具現化していきます。オーガナイザー協会では、そのスキルを学ぶための研修や認定試験を行っています。
お部屋の整理整頓の前に、その人自身の考えや生き方を整理整頓し、ライフスタイルを確立してもらうのです。
そのため、古市さんご自身がコーチングなども勉強されたというので、徹底しています。
私も仕事柄、整理収納アドバイザー2級の資格を取ったり、フラワーアレンジやテーブルセッティング、おもてなしの作法など、いろいろと学んできましたが、古市さんは、何かを学ぶ際に、どの分野でも一流といわれる先生に弟子入りしたそうです。そうすることで、技術だけでなく、どうすれば自分も一流になれるのかということを、その先生の姿勢を見て学べるからです。
また、四柱推命なども数年にわたり学ばれて、クライアントの心を読み解くことに力を入れているそうです。
住まいを創るということは、お施主様の人生に踏み入るのだから、生半可な知識と経験で事足りることではなく、その家族の人生を左右するのだというくらいの責任感と覚悟がないとできないことだと、あらためて感じました。
古市さんとお話する中で、「一流の仕事とは、高価なものやいわゆる一流品を使ってデザインすることではなく、相手にとって最高のものを提供することだ」という言葉が印象に残りました。
先日、インテリアデザイナーの源波淳子さんから、セミナーのご案内をいただきました。
源波さんは、イギリスのウェールズ大学でMAを取得された後、ロンドンのInchbald school of designでインテリアデザインのディプロマを取得されました。インチボールドは私がロンドンでインテリアデザインの学校を選ぶ際、候補に入れた一つで、こちらの卒業生は、世界各地で活躍しています。
元々、源波さん主催の、とあるセミナーに参加したのをきっかけに、いろいろなイベントやセミナーにお誘いいただくようになり、去年、イギリス大使館で開催されたBIDA(英国インテリアデザイナー協会)のイベントで再会しました。

源波さんが主宰されている
Living by designでは、ホテルや大型商業施設のインテリアデザイン、様々な分野のプロフェッショナルを招いてのセミナー企画、また、源波さんご自身がデザインのノウハウをご指導されるなど、いろいろな活動を行っています。
また、エレガントで美しいものが大好きな源波さん。趣味が高じて、たいへん美しくて高級なタッセルなどインテリアアクセサリーを作り出すイギリスのブランド
「Spina」のエージェントもなさっています。
私も数年前にパリのメゾン・エ・オブジェで初めてSpinaのタッセルを見たときは感動しました。

これ、何でできているか分かりますか?
ピンクコーラル、珊瑚です。本物の珊瑚を一つ一つ手作業でタッセルに仕上げていくのです。淡いピンクの優しい印象です。

こちらは、本物の鳥の羽を使ったタッセルです。羽の光沢感がとても上品で、シックなカーテンに似合いそうですね。
他にも、うっとりするようなインテリアアクセサリーが満載ですので、ぜひWEBサイトのぞいてみてください。
源波さんが紹介してくださるものは、どれも素晴らしく、特に日本の伝統的な職人仕事に興味を持っていらして、いつも新鮮な驚きと感動があります。やはり日本から一度離れて見ると、あらためてそのよさを認識するのでしょうね。
先日、自由が丘の
Trinity soft furnishings school & Interior designにお邪魔しました。
「トリニティ」は、BIDA(英国インテリアデザイナー協会)のイベントでお世話になった荒木恭子さんが経営されている英国式のソフトファニッシングのお教室です。
日本ではソフトファニッシングという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、カーテンやクッションなど、ファブリックを使った室内装飾品のことを言います。
イギリスでは伝統的なスタイルのカーテンやタッセル、優雅な装飾が施されたクッションや椅子張りなど、家庭でも作られますし、素敵な専門店がたくさんあります。

荒木さんは、外資系企業で働くバリバリのビジネスウーマンでしたが、ソフトファニッシングに魅せられ、イギリスに留学して本格的にその技術を学んでこられました。
お教室は自由が丘の駅から徒歩1分の魚采ビル2Fにあります。
併設のショップでは、日本ではなかなか手に入らないイギリスの壁紙やファブリックも購入でき、荒木さんのお手製のボルスターなど、素晴らしい作品が展示されています。

10月に開催されたBIDA(英国インテリアデザイナー協会)のイベントを通じて、たくさんの仲間ができました。
もちろんイギリスでインテリアを学ばれた方が多いのですが、それはインテリアデザインに限らず、テキスタイルのデザインやファニッシングと呼ばれるカーテンやタッセルの製作など様々。
既に日本でお教室を主宰していらしたり、銀座や横浜で英国スタイルのウィンドウトリートメントを扱うお店を出していらっしゃるかた、またインテリアデザインのスクールを運営されていらっしゃるかたなど、みなさん、それぞれにご活躍です。
そんな方々にとても刺激を受けるのですが、中でも、名古屋で
インテリアコーディネートのオフィスJUJUを主宰されている亀井寿子さんは、とても尊敬するデザイナーの一人です。

私と年齢は近いのですが、金融のOLを経てインテリアの業界に入った私とは違い、とてもキャリアを積んでいらっしゃいます。
亀井さんのブログがとてもおもしろいので、インテリアに興味のある人もない人も、ぜひぜひのぞいてみてください!
先日、英国大使館で行われたBIDA(英国インテリアデザイン協会)のイベントには、業界の関係者、約200人が招待されました。
私たちスタッフは、この日のために、招待状のリストを作成したり、BIDAについての紹介文を翻訳したり、来日するデザイナーたちのエクスカーションを企画したりと、様々な準備をしてきました。
イベントは大きく3部の構成で、まず1部は、これからBIDAのメンバーになりたいデザイナーのためのセミナー、そして2部がBIDAのメンバーであるデザイナーのそれぞれのPRです。最後にレセプションパーティが開かれました。
その合い間を縫って、別室では、レストランやホテルなどの事業主が、興味のあるデザイナーと個別に話をする機会が設けられ、デザイナーたちは、それぞれ自己アピールに余念がありません。
私はBIDAの国際コミッティのダイレクター
Celia Jamesの通訳を依頼されていましたが、さすが、海外のデザイナーを起用しようと思っている企業の方々は英語も堪能で、あまり出る幕はありません。。
でも、世界的デザイナーたちのポートフォリオや、ポテンシャルクライアントへのアプローチの仕方などを目の当たりにし、とても刺激的な1日でした。


デザイナーの方々
(中央がCelia)
Celiaは私と同じChelsea Collegeの先輩です。私もいつかCeliaのような素敵なデザイナーになれるといいなぁ。。