最近の旅は、もっぱら国内の私ですが、冒険好きな旅人をうずうずさせるようなガイドブックを入手しました。
「Wonderful World」

副題は、
「冒険家のように激しく、セレブのように優雅な旅へ」
冒険がテーマの旅。憧れです。
とにかく写真が美しくて、思わず溜息が出てしまう。。
ナミビアの砂漠、アフリカのサバンナ、南極でキャンプ。。。
どれも、一生に一度は体験してみたいことばかり。
パラパラとめくっていると、旅の本質を思い出します。
これまでの旅もそうでしたが、旅って、単に美しい景色や歴史的建造物を見るわけではありません。
そこで起こる様々な出来事、人との出会いや、ハプニング、初めて口にするその土地のワインや料理、市場やスーパーでの人々との会話、その土地でしか聞かれない音楽や見られない舞踏、感じられない雰囲気。。。
旅は「体験」です。
これまで、私もいろいろな体験をしてきました。
シャモニーでの氷河スキー、ナイル川の豪華客船クルーズの旅、ポルトガルのワイナリーめぐり、フィンランドの無人島探検、憧れのサッカー選手の追っかけ!!、ヨーロッパの秘境探し、フィレンツェでのオリーブ摘み、ベルギーでのアパルトマン生活。。
一人旅も大好きでした。
五つ星のホテルに泊まる優雅で豪華な旅もあれば、バックパッカーのようなその日暮らしの旅もありました。
現地の生活に溶け込むような数ヶ月の滞在も。。
若い頃は、ちょっとした無茶が楽しくて仕方なかった。。
子供が生まれると、安全で移動が楽な旅をしたくなりますが、本当は、子供にも、旅は冒険だと知って欲しい。
そして、人生も、冒険です。
二人として同じ人生を歩む人はいない。
標準とか、平均とか、常識とか、そんなものは、とても狭い範囲にしか通用しないもの。
そろそろ、娘を連れて、冒険の旅に出てみようかと思います。
娘にも、自分の足で歩いていく人生の、冒険の喜びを知って欲しい。心からそう願います。

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読んでくださってありがとうございます。今日も一日ハッピーでいられますように!
私は日本で生まれ日本で育ちました。
父も母も東京の人なので、私には特に帰省する田舎もなく、「故郷」という言葉を実感する機会もあまりありません。
私の中で、じんわりと故郷をイメージしたとき、必ず思い起こされるのがフィンランドのクオピオという街です。
ロンドンに住んでいたとき、英語学校でフィンランドから来ていた女の子と友達になりました。
その子が、いつも自分の故郷のことを楽しそうに話すので、そんな素晴らしいところなら一度行ってみたいな、と話したら、すぐにフィンランドの家族に連絡し、その夏、招待してくれたのです。
ヘルシンキから小型の飛行機で1時間。Kuopioという街には大きなスキージャンプの施設があって、世界規模の大会の会場にもなることで、ちょっと知られているそうです。でも、もちろん私には初めて聞く場所。
フィンランドは、日本ではきっとムーミンのイメージが一番身近なのではないでしょうか。
飛行機から見るフィンランドの景色は、まさに森と湖。

友人の住まいはクオピオの街の中にあります。そして、湖に浮かぶ島にサマーハウスを持っていました。
フィンランドの平均的な家庭では皆サマーハウスを持っていて、週末ごと、そして1ヶ月近くある夏休みには、そちらに滞在しのんびり過ごすのです。もちろん冬は湖の氷をくりぬいてワカザギ釣りやスキーを楽しみます。スキーといっても彼らのスキーはクロスカントリー。フィンランドではこちらの方が一般的です。
とにもかくにも、彼らの暮らしにサマーハウスは不可欠なのです。
私がKUOPIOを訪れたのは8月。フィンランドの夏は6月がベストシーズンなので、8月だともう半袖では肌寒く感じます。夜にはセーターを着込むほど。
友人の家から車で2時間ほど走り、中くらいの大きさの島まではモーターボートで移動します。そしてサマーハウスがある小さな島までは、その中くらいの島から手漕ぎボートに乗り換えて向かいます。それは自然保護区域になっていて、モーターのついているボートは環境破壊に繋がるとして禁止されているのです。
こうしてフィンランドの自然は守られているのですね。
サマーハウスは彼女のお父さんが作ったログハウス。電気も自家発電。
庭には野生のベリーがたわわに実っています。
ここでの2週間の滞在が私の人生観を変えてしまったといっても過言ではありません。
フィンランドの人たちの自然への向き合い方、家族の考え方、生きる喜びや幸せについて・・・。
自然と共存する極めてシンプルな生活の中で、考えることがたくさんありました。
とても一度には書けません・・・。
少しづつ書いていきますね。お楽しみに。
旅が大好きな私は、いろいろな人の旅の話を聞くのが大好きです。行ったことのない土地の話にわくわくしたり、知っている場所も、人それぞれ素晴らしいと感じるところが違い、会話が弾みます。未知の国への想いを馳せ、いつか私も、と夢見たりしています。
先月発売された雑誌Penには、旅の達人に訊いた「世界でいちばん好きな場所。」という特集が組まれていて、思わず熟読してしまいました。
その中で、長い間、思い出せずにいた映画のタイトルが、ようやく判明したのです。
かれこれ15年も前の話になりますが、イタリアのアマルフィ地方にあるポジターノ(Positano)という街を訪れました。
去年、「アマルフィ」という地名は、織田裕二主演の日本映画で話題になり、広く知られるようになったと思いますが、そこを訪れることになったきっかけが、ある映画だったのです。ハリウッドのありがちな恋愛映画で、ストーリーはさほど印象にのこらなかったのに、そこに映し出されるイタリアの海岸の美しさと舞台になったホテルの素晴らしさに魅了されて、どうしても行ってみたくなりました。
当時はインターネットも今ほど発達していないし、それがどこの海岸かも分からないので、イタリアの観光局で調べてもらったのです。そして、その海岸がポシターノであること、映画の舞台になったホテルが
“Le Sirenuse"という名の五つ星ホテルだと分かりました。
イタリアのミシュランを手に入れ、ホテルの場所などを確認し、直接電話をしましたが、到着予定日は満室、最初の数日は別のホテルを予約して、念願のアマルフィ旅行へと向かいました。
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日本からローマへ飛び、ローマからナポリ、さらにソレントへ列車の旅。そこからはローカルのバスで向かいます。バス停からはホテルの人にも手伝ってもらいながら、重いスーツケースを抱えて、断崖の急な階段を下りていくのです。
その海の美しさ、海岸の断崖に、建てられたホテルや住居の建物の景色は、息を呑む素晴らしさでした。
前述の雑誌Penの中で、このポジターノを小山薫堂さんが紹介していました。そして、やはり訪れたのは、その映画の影響が大きいと書かれていました。映画のタイトルは「オンリー・ユー」だということが、15年ぶりに判明したのです。いつかまた、この映画を観て、旅の想い出を振り返りたいなぁ。。 みなさんの旅のお話、訊きたいです。
週末、バタバタと大阪に向いました。
目的はただ一つ。大阪港のホテルで面白いイベントが行われていると聞いたからです。その名も
「Designer Show House」。
11名のデザイナーが、それぞれホテルの11室を「最愛の空間」に創り上げるというものです。
このイベントに、BIDA(英国インテリアデザイナー協会)のメンバーである古市伸子さんが参加していて、ご連絡を下さったので、さっそく足を運ぶことにしました。
もともとDesigner Show Houseというのは40年も前にアメリカで始まった歴史あるイベントで、老朽化によって価値が損なわれつつある邸宅などに、インテリアデザイナーなどが個性あるデザインデコレーションで新たな命を吹き込み、これを一定期間一般公開するというもの。
ですので、残念ながら2月20日までのわずか2週間しか公開されないのです。
今回、選ばれた11名の中には、辻村久信氏や間宮吉彦氏などの顔ぶれもあり、各部屋それぞれが個性的で見ごたえがありました。
個人的な趣味ももちろんあると思いますが、私はやはり古市さんのお部屋が一番印象に残りました。きっと、ご本人から直接、空間コンセプトや、古市さんなりの「最愛の空間」の考え方を伺ったというのも大きな要因の一つでしょう。
これまで数々の住空間デザインに携わっている古市さんが、たくさんの海外経験を積まれてきて、やはりご自身の最愛の空間は日本にあるのではないか、と感じたところから、この空間のコンセプトである「東洋美」という言葉が浮かび上がってきたそうです。
そして彼女がエレメントとして選んだのが、京友禅と漆です。


チェストは漆塗りで、つまみにイニシャルのNをデザインしディテールにこだわったオリジナルです。光沢のあるシックなグレイのクロスに渋みのかかった赤が見事に映えています。
キングサイズのベッドに使われたスプレッドは、創業450年の歴史を持つ京友禅の老舗
「千總」さんにオリジナルで作っていただいた正絹のもの。色は墨色で、家紋が入り、日本の着物の柄である龍があしらわれています。留袖をイメージされたそうです。

大阪港の「水」にちなんで、鯉が龍になるという意味がある、この伝統柄を選ばれたという古市さんのセンスにすっかり魅了されました。
まもなくイベントは終わってしまいますが、お近くの方、ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
週末の金沢ステイは、短いながらも、なかなか印象に残る旅となりました。
日曜の午後に訪れた「ひがし茶屋街」は、石畳の道の両側に紅殻格子のお茶屋が軒を連ね、なんとも情緒に溢れた街並み。
金沢というと、ものづくりの街と言っていいほど、いろいろな伝統工芸が残っています。そして、それを新しい形に蘇らせていく試みが盛んに行われているという印象を持ちました。なかでも感銘を受けたのが、世界で活躍する
箔デザイナーの高岡愛さんの作品です。ひがし茶屋街の中にある縁煌(えにしら)というお店で出逢いました。

ミラノサローネやムーブルパリなどでも高く評価された作品の数々。
箔は、わずか1万分の1~2mmという薄さです。はるものの表面のわずかな凹凸によって様々な陰翳の表情を創り出します。
高岡さんは金箔や銀箔、プラチナの箔を、木や紙や石、ときには土や鉄やガラスなどにはり、まったく新しい表現を試みています。その繊細な表現は、単なる伝統工芸の継承にとどまらず、新しい光の世界を創出しました。箔の光とは、まさしく陰翳の美。その表情は、穏やかでもあり、力強くもあり、鈍いようで鮮やかで。。
日本の伝統工芸が、このような形になって世界で認知されるようになるのは素晴らしいことです。
たいへん味わい深い金沢の旅でした。